―― 「漆黒の闇での戦い」 ――
ドイツ上空を夜間攻撃するランカスター爆撃機と、これを迎撃する Me-110G4 夜間戦闘機の場面を描いた作品を、今回は紹介する。
1944年12月、ドイツ オスタッフェルド(Osterfeld)上空でRAF第626爆撃隊のランカスター爆撃機が、Me-110夜間戦闘機に攻撃を受け回避行動をとっている。その真下を、攻撃したMe-110が通過していく。敵味方互いのクルーは、戦いのさなか鋭く研ぎ澄ました感性で相手の存在を意識しながら操縦桿を握り続けるのだった。
このランカスターは、すでに左の翼とエルロンを対空砲で破損していた。そこに闇の中からの突然の銃声が響き渡る。ランカスターは、爆撃している僚機に注意を払いながら回避行動に移る。するとMe-110が、真下に姿をあらわした。ランカスターの機首旋回銃の放つ曳光弾を回避するがごとくMe-110は、ダイブしながら闇の中に去って行くのであった。
「漆黒の闇での戦い」は、引き分けで終ったのである。
この作品は、ロバート・テイラーの「画集Vol.4」出版記念として、画集とセットで2000年に発表された作品である。
夜間戦闘という光の無い空での戦いを、サーチライトと地上の空襲風景を対比させる事で、空間的広がりをもたせて描いている。
Me-110夜間戦闘機のリヒテンシュタイン・レーダーが地上の炎の光を浴びて繊細に輝く描写に、画家のこだわりが感じられる作品である。
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